トヨタのミニバン「シエンタ」はスタイリッシュなフォルムがとても魅力的ですが、こうしたスタイリング重視のクルマは往々にして運転がしにくかったりするものです。
シエンタの購入を検討されている方は、その点が気になっているのではないでしょうか?
そこで皆さんに代わってシエンタを1日レンタルし、様々な道路を走ったり駐車を試したりして運転しやすいのかどうかを徹底的に検証してみました!
シエンタのボディサイズは?
試乗した「シエンタ ハイブリッド X」のボディサイズは、以下のとおりです。
全長 4,260mm
全幅 1,695mm
全高 1,675mm
4mをそれほど大きく超えない全長はミニバンとしては短い方で、全幅は1.7mを切る5ナンバーサイズに収まっています。
この数値を見る限り、狭い路地や駐車場でも使いやすそうだなと思う方も多いことでしょう。
一方、全高もミニバンとしては低めなので、運転席からの見晴らしがよいのかどうかが気になるところですね。
ここで、トヨタ最小のミニバン「タンク/ルーミー」と大きさを比べてみましょう。
タンク/ルーミー G
全長 3,700mm
全幅 1,670mm
全高 1,735mm
シエンタは、タンク/ルーミーと比べて全長が50cm以上長いことが分かります。
狭い駐車場に駐車するときは、この全長の差のせいで切り返しの回数が多くなるケースもありそうです。
一方、全幅はわずか2cm広いだけで実質的に同等なので、狭い路地で離合する場合などはタンク/ルーミーとほとんど差はないと考えてよいでしょう。
シエンタの車両感覚はどうか?
シエンタはミニバンには珍しく、曲線基調の流麗なスタイリングを持っています。
丸みを帯びたデザインのクルマは、角張ったクルマよりも車両感覚がつかみにくい傾向がありますが、シエンタの場合はどうでしょうか?
まず、車両感覚を左右する重要なポイント、運転席からボンネットが見えるかどうかをチェックしたところ、通常の運転姿勢では身長177cmの筆者にもまったく見えませんでした。
しかし、少し身を乗り出せば、わずかにボンネットの手前側が視界に入ります。
特に、左右のフェンダーの膨らみが車幅をつかむマーカーの役割を果たしてくれました。
とはいえ、小柄な女性の方などの場合は、身を乗り出してもおそらくボンネットはまったく見えないでしょう。
シエンタの運転席にはシートリフターが付いていないので、対処のしようがありません。
ただ、ボンネットが見えなかったとしても、それほど悲観することはありません。
5ナンバーサイズの恩恵で、左右が同時に視野に入るAピラーが車幅の目安になるからです。
Aピラーの付け根の幅がボディの幅だと思って運転すれば、ボディの側面を擦ってしまうようなことはないはずです。
シエンタの車両感覚のつかみやすさには満点はあげられないけれど、及第点はあげてよいでしょう。
シエンタの前方の視界は?
シエンタのフロントウィンドウはコンパクトカー並みに傾斜が強いのですが、コンパクカーよりも天地の丈が大きいため、前方視界は良好です。
また、ミニバンとしては全高が低いとはいえ、セダンやコンパクトカーよりはヒップポイントが高いため、見晴らしも優れています。
前方の状況がつかみやすいので、安全運転につながるといえるでしょう。
一方、斜め前方の視界に関しては、傾斜の強いAピラーが視界を遮る点が少し気になりました。
とはいえ、ピラーがそれほど太くないことや付け根付近の角度が比較的立っていることから、安全確認に支障が生じるほどではありません。
また、ドアミラーがAピラーの付け根ではなくドア本体に取り付けられているので、あまり視界の邪魔にならない点もマルです。
試乗中、交差点で歩行者を見落としそうになったことはなかったですし、ワインディングロードのブラインドコーナーでも、アクアのように体を左右に振らないと前方の情況が確認できないということもありませんでした。
シエンタの前方視界はAピラーが立っているタンク/ルーミーには劣るものの、十分合格点があげられます。
シエンタの後方視界は?車庫入れはしやすい?
シエンタはミニバンとしては背が高くないことや、ベルトラインが後ろ上がりになっていることから、リアウィンドウの面積はそれほど大きくありません。
とはいえ、平均的なコンパクトカーと同等以上の面積は確保されています。
では後方視界が良いのかといえば、そうとも言えないのです。
それは、2列目シートと3列目シートのヘッドレストが後方視界の下半分を遮ってしまうからです。
写真は街中でバックミラーに映る後のクルマを撮影したものですが、ヘッドレストが視界を妨げていることがお分かりいただけると思います。
スポーツカーが後ろについたときなどは、まったく姿が見えなくなることがありました。
もし2列目や3列目シートに人が乗っていたら、後方視界はかなり厳しくなりそうです。
バックで駐車する際も、直後の子供やポールなどが見えない可能性があるので、十分注意した方が良いでしょう。
次に斜め後方視界を検証しますが、この面でもシエンタにはあまり良い点をあげられません。
先ほども書いたようにベルトラインが後ろ上がりになっているので、サイドウィンドウの天地の丈が後ろにいくほど小さくなっています。
さらに、キックアップしたデザインのリアクォーターウィンドウは大きさが不十分で、リアピラーも太目です。
そのため死角が大きく、バックでの駐車は決してやりやすいとはいえません。
試乗車にはディーラーオプションのナビとバックカメラ(※ナビレディパッケージに含まれる)が装備されていましたが、シエンタの場合バックカメラは必須といえるでしょう。
シエンタのようにベルトラインが水平でないクルマの場合、白線の枠内に真っ直ぐ停めようとしても斜めになってしまうことがありますが、ガイドラインのおかげで真っ直ぐに停めることができました。
あと気になった点は、決して駐車がしやすいとはいえないボディ形状なのに、最上級グレード「Gクエロ」をのぞき「インテリジェントクリアランスソナー」と呼ばれる自動ブレーキ付きのコーナーセンサーが標準装備されないことです。
試乗したハイブリッド Xやハイブリッド Gなどはオプション(28,080円)で付けることができるのでまだいいとして、ガソリン車の福祉車両の場合はオプション設定さえ無いのは問題でしょう。
シエンタの場合は、全車にインテリジェントクリアランスソナーを標準装備した方がいいと感じました。
シエンタの運転しやすさ、コツのまとめ
シエンタに1日乗って分かったことは、まず思っていたよりも車両感覚がつかみやすかったことと、斜め前方の視界が良かったことです。
道路を前進で走行する限り、特に問題はないと感じました。
ただ、ボンネットの先端部の位置は分からないので、切り返しをする際に壁やほかのクルマにギリギリまで寄せるのは難しく、大分手前の方で止まらざるを得ませんでした。
繰り返しになりますが、インテリジェントクリアランスソナーが付いていればと思いました。
また、後方視界に関しては、ヘッドレストが邪魔で真後ろが十分見えないことや、斜め後方の死角が大きいことが問題です。
もしバックカメラが付いていなかったら、バックでの駐車はもっと気を使ったことでしょう。
それと、走行中にルームミラーで安全確認をする場合も、後方の情況が確認しにくいのはやはりいただけません。
ヘンな話、背の低いスポーツカーにベタ付けで煽られたとしても、その存在に気付かないということもあり得ます。
もし筆者がシエンタを買うとしたら、標準のルームミラーよりも広い視界が得られるオプションの電子インナーミラー(59,400円)を付けることでしょう。
シエンタの運転しやすさをひとことで評価すると、前進は及第点、バックは落第といったところです。
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