トヨタのコンパクト・トールワゴン「ルーミー」は、扱いやすいサイズや広い室内が大きな魅力になっています。
ただ、車は走ってナンボですから走行性能もやはり重要ですよね。
また、室内で快適に過ごすためには静粛性の良し悪しも無視できません。
そうしたカタログでは分かりにくい走行性能や静粛性を検証すべく、ルーミーを一日借りて一般道や高速道路で試乗してみました。
この記事に書いてある内容は、ルーミーの姉妹車種である「タンク」や「ダイハツ・トール」、「スバル・ジャスティ」にも当てはまりますので、これらの車種の購入を検討されている方は是非とも参考にしてみてください!
ルーミーの一般道、街乗りでの走りは?
今回借りたグレードは、下から2番目に安い「X S」の2WD車でした。
ルーミーの場合、どのグレードも満遍なく売れているので、一番の売れ筋グレードではありませんが、「XS」それなりにボリュームのある売れているグレードになります。
搭載されるエンジンは1L直3自然吸気で、最高出力69ps、最大トルク9.4kg・mというスペックです。
軽のターボ車に近いスペックですが、車両重量はそれよりも重く1,070kgあるので、走りにはあまり期待できなそうな予感が・・・。
また、降雪の少ない伊豆地方のレンタカー店で借りたのですが、タイヤは「ヨコハマ・アイスガード」というスタッドレスを履いていました。
今回の試乗コースに積雪地帯はないので、ドライ性能が夏タイヤよりも劣るといわれるスタッドレスタイヤのグリップ力が少々心配になります。
室内に乗り込むと、廉価グレードゆえの飾り気のないインパネが目に飛び込んできましたが、実用車はこれで十分ともいえるでしょう。
ドライビングポジションを調整する際、ステアリング調整はルーミーの場合チルトのみでテレスコがないことや、廉価グレードなのでシート上下アジャスターが備わらないことに気づきました。
身長177cmの筆者にはそれでも特に問題ありませんでしたが、小柄な女性の方などはテレスコやシート上下アジャスターが欲しくなるかもしれません。
また、ペダルが若干左にオフセットされていましたが、全長の短いコンパクトカーはどうしてもホイールハウスの干渉を受けてしまうので、やむを得ないところでしょう。
とはいえ、特にドライビングポジションが不自然とは感じませんでしたし、ペダルを踏み間違えそうになることもなかったので問題なしとします。
エンジンの始動は、廉価グレードなのに一人前に?プッシュスタート式です。
いまどきのコンパクトカーは大したもんだと感心しつつエンジンを始動すると、3気筒特有の振動もなく、まずは好印象を受けました。
ルーミーの街乗りインプレッションスタート!
インパネシフトのシフトレバーをDレンジに入れ、いざスタート。
発進加速は良くいえばジェントル、悪くいえば緩慢ですが、街中を流れに乗って走る分には問題ありません。
また、一旦スピードに乗ってしまえばパワー不足は感じられず、スペックの割には良く走るという印象を受けました。
CVT特有のラバーバンドフィーリングはやはり感じられましたが、街乗りの場合は無段変速ならではのスムーズさのメリットが勝る印象です。
国道をしばらく走行しましたが、赤信号で先頭で停車する機会があったので、信号が変わると同時にフル加速を試みました。
20キロくらまではモッサリした加速で物足りなさがありますが、そこから60キロくらいまではグイグイと加速していきます。
片側2車線の一般道で追い越しを掛ける場合、40キロ~60キロくらいまでの加速力が重要になりますが、これなら十分でしょう。
ステアリングのフィールですが、終始軽くて操作がラクな反面、少し頼りない印象です。
女性ユーザーを気づかって軽めの設定にしたのでしょうが、個人的にはもう少し手応えがあった方が好ましく思えました。
また、中立付近は少しデッドで、ステアリング操作に反応しない領域があります。
ルーミーのような背の高いクルマに鋭敏なステアリングレスポンスを与えてしまうと、挙動が不安定になってしまうおそれがあるので、この点は正解でしょう。
ステアリングレシオは予想していたほどスローではなく、交差点を曲がるときもステアリング操作が忙しいという感じはしませんでした。
また、ブレーキに関しては、後続車がいないときにガツンと踏んだところ絶対的に十分な制動力があることが確認できました。
しかし、踏み始めのタッチがスポンジーで、ペダルを踏む力に応じたリニアな制動力が得られない点は不満です。
Dレンジでのエンブレの効きが弱いことと相まって、つい前車に接近しすぎて前車接近警報が「ピピピッ!」と鳴ったことが2度ありました。
スマートアシストⅢがちゃんと仕事をしているのが分かり、ある意味で安心感がありましたが、もう少し踏み始めからしっかりと制動力が立ち上がって欲しいところです。
ルーミーの一般道、街乗りでの走りを総括すると、出足にややかったるさはあるものの、追い越し加速を含め動力性能は必要十分という印象でした。
自然吸気エンジンのリッターカー、侮るべしです。
ステアリングの操作性は個人的にはやや軽すぎると感じましたが、このセッティングを好む方も多いと思います。
ブレーキのフィールはしばらく走っているうちに慣れ、スマートアシストⅢに怒られる?こともなくなりましたが、踏み始めの効きはもう少し欲しいところ。
静粛性に関しては、ロードノイズはこのクラスとしては静かな方だと感じましたが、アクセルを深く踏み込むと3気筒特有の安っぽいエンジン音が遠慮なく室内に侵入してくる点が気になりました。
また、アイドリングストップからのエンジン再始動の際、キュルルというスターターの音が大きいことも少し気なる点でした。
不満点も述べましたが大きな欠点というわけではなく、総合的にみてルーミーは街乗りを快適にこなせるクルマといえます。
取り回しや乗り降りのしやすさと相まって、買い物や送迎に使うにはピッタリです。
ルーミーの高速道路での走り・静粛性は?パワー感に不足はあるか?
一般道ではほぼ満足のいく走りを見せてくれたルーミーでしたが、高速道路ではどうでしょうか?
まず合流車線から本線への進入では、絶対的なパワーが限られるためフルスロットルを強いられます。
フルスロットルにしても大した加速が得られるわけではありませんが、60キロくらいだった速度が合流車線が終わる前に(大分余裕を残して)100キロに到達するので、実用上は特に問題ありません。
ただ、その際のエンジン音は「ウィ~~~ン!!」とかなりにぎやかになります。
100キロ巡行時の直進安定性は意外なほどドッシリした落ち着きがあり、大型トラックを追い越す際に風圧の影響で進路が乱されるようなこともありません。
中立付近があいまいなステアリングフィールも、気を使わずにまっすぐ走れる要因になっているようです。
また、周囲にクルマがいない状況で危険回避を想定した急ハンドルの車線変更を行ってみましたが、不安定な挙動におちいることもありませんでした。
トレッドの割に背が高いボディながら、安定性は十分確保されているようです。
静粛性に関しては、街中と同様ロードノイズが十分抑えられている点や、いかにも空気抵抗が大きそうなボディにも関わらず風切り音が静かだったことに好印象を受けました。
エンジン音も、巡行している限りそれほど耳障りではありません。
ルーミーの高速での追い越し加速は?
100キロで巡行する限り意外なほど快適に走れることが分かったところで、追い越し加速性能を検証してみることにしました。
90キロで走行する大型トラックに追い付き、しばし追従したのち、追い越し車線が空いたのを見計らって車線変更しフル加速。
その加速性能は、「非常に遅い、以上。」という感じです。
アクセルペダルを床が抜けるくらい?力いっぱい踏みつけても、エンジン音が高まるだけでスピードは一向に上がっていきません。
90キロから120キロに到達するまでは、気の遠くなるような時間がかかりました。
この追い越し加速力では、「後からスピードを出しているクルマが徐々に近づいてくるのに、走行車線に大型トラックが連なっていて戻るに戻れずで冷や汗が・・・」という状況もあり得ます。
ルーミーで高速走行する際は、追い越しはあまりにも遅いクルマにブロックされた場合などにとどめ、まったりと走行車線を走っていた方が良さそうです。
こう言う局面では、ターボグレードが欲しくなりますね。。
ルーミーの中~高速コーナーの走りは?
70~80キロくらいで走るジャンクションの高速コーナーでは、見るからに不安定そうな外観とは裏腹に安心して旋回することができました。
ハンドリングが一定の弱アンダーステアでオンザレール感覚で旋回できることや、ロールが意外と少ないことが安心感につながったようです。
また、制限速度40キロの高速出口のきつい中速コーナーで、最初は背の低いコンパクトカーと同じ感覚で60キロで侵入しましたが、さすがに背の高いボディにはオーバースピード気味だと感じアクセルを緩めました。
50キロまで落としたところ安心して旋回することができたので、必要十分なコーナーリング性能は持っています。
ルーミーの高速道路での走行性能を総括すると、分をわきまえて控えめのスピードで運転する限り安定性は高く、静粛性も十分確保されているので安楽そのものです。
ただ、追い越し加速は大の苦手なので、ひたすら走行車線を淡々と走るがお似合いでしょう。
そのような走りを心掛ければ、高速道路での長距離移動も意外と苦もなくこなせそうです。
ワインディングでのルーミーの走りは?
ルーミーのようなハイト系ワゴンは基本的にワインディング走行は得意ではありませんが、目的地に行くためにはワインディングロードを避けられない場合があるので、そうもいっていられません。
今回走ったルートはワインディング区間がかなり含まれていたので、ルーミーのハンドリングなどを試すには格好でした。
写真はセンターラインのない狭いワインディングですが、このほかに箱根ターンパイクなども走行しました。
まずいえることは、こんな不安定そうなボディなのに意外と普通に旋回できることです。
コーナーの曲率の大小に関わらず、飛ばし気味に走っている(背の低い)コンパクトカーに遅れを取らずに走ることができたのは、ちょっとした驚きでした。
しかも、冷や汗をかきながら無理して付いて行っているわけでもありません。
旋回中にアンダーステアは出るものの、大きく膨らんでしまうわけではありませんし、車両の挙動も終始安定しています。
また、街乗りのときと同様にステアリングレシオがスローすぎて手が忙しい、ということもありません。
ただ、少しオーバーペース気味にコーナーに進入してしまい、途中でブレーキをかけるような場面ではタイヤがキュッと無くことがあり、スタッドレスタイヤを履いていることを思い出させられました。
とはいえ、横滑り防止装置のお陰でしょうか、そんなケースでも車両の姿勢が不安定になることはありませんでした。
ステアリングフィールに関しては、切り増ししていったときにもう少し手応えが欲しい、路面からの情報をもう少し伝えて欲しいといった不満もありましたが、大きな欠点とはいえません。
一方、動力性能面では高速道路での追い越しほどではないものの、上り坂で69馬力の非力さを意識させられました。
特に急な上りではアクセルを深く踏み込まぜるを得ず、その際のスピードの乗りも緩慢です。
しかし、後続車(※爆走している走り屋をのぞく)に迷惑をかけてしまうほどの鈍足でもないので、多少のストレスさえ我慢すれば実用上問題はありません。
ワインディングの下りでの走りはどうか?
上り区間ではパワー不足が気になることがありましたが、下りではパワーは関係なくなるのでストレスもなくなります。
コーナー進入時のブレーキングも、ガツンと踏んで減速する使い方なら踏み始めのスポンジーさも気にならず、制動力自体も十分です。
ただ、急な下り勾配でエンブレに頼りたい場合、一番エンブレが効くBレンジに落としてもまだ加速してしまう場面があるのが気になりました。
もう少しエンブレが効くと良いのですが、CVTの限界なのかもしれません。
また、エンブレを利かせている時のエンジン音がかなり高まるので、車内は相応に賑やかになります。
ルーミーでのワインディング走行を総括すると、見た目からは想像もつかないしっかりしたハンドリングが備わっていることにまず感心しました。
上り坂でのパワー不足はあるものの、思っていた以上にちゃんと走るのでちょっとビックリ。
決してファン・トゥ・ドライブというわけではないのですが、ルーミーのキャラクターでこれだけ走れば十分でしょう。
ルーミーの一般道、高速道路、ワイディングでの走行性能のまとめ
ルーミーを1日乗って一番感じたことは、背の高いボディの割に良く走るということです。
高速道路やワインディングではパワー不足を感じることがありましたが、そんな不満もハンドリングに対する好印象の前には吹き飛んでしまいます。
ルーミーが一番得意なのは市街地走行ですが、ワインディングも意外とイケることが分かったのは収穫でした。
また、高速走行も追い越し加速こそヒサンでしたが、大人しく巡行している限り快適だったので、このクルマが1台あればどこへでも行けるという印象を受けました。
ちなみに今回は高速道路4割、ワインディング4割、市街地2割の割合で走行しましたが、燃費は満タン方で18.5km/Lでした。
カタログ燃費の24.6km/Lには及びませんが、ハイブリッドではないクルマとしてはかなりの低燃費といえるでしょう。
ルーミーは決してコンパクトで室内が広いことだけが取り柄ではなく、見た目以上にしっかり走り、燃費も優れた良車であることが分かりました。
試乗する前は退屈きわまりないクルマだと思っていたのですが、そんなことはないし運転もラクだったので、結構気に入ってしまいました。
もし機会があれば、パワーの不満が解消されるであろうターボ車にも是非乗ってみたいですね。
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ディーラーに騙されないためにする事
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その時の画像です。
出た金額は、なんとディーラーよりも20万円以上も高い買取金額でした。
概算とは言え20万円の差額・・・その後ディーラーへ出向き「買取店で75万って言われたんですけど」と伝えてみると、少々待たされましたが「今回決めてくれるなら2万上乗せして77万円で下取ります。もう限界です・・」
ホントに限界かどうか分かりませんが、52万⇒77万=25万円のアップです!
その時の契約書です。
もしディーラーの言う通りに最初の52万円で契約していたら、25万円の大損となっていました。。
この時した事は、査定サイトで表示された買取相場をディーラーへ伝えただけです。
これだけで25万円のアップに成功したので、下取り車がある方は是非参考にしていただきたいと思います。
ちなみに査定サイトで申し込んだ買取店にも見てもらいましたが、本当に限界らしく1万円プラスの78万円を提示されました。
しかし+1万円位なら、納車まで乗っていられることを優先して、今回はディーラーへ出しましたが、買取店の方がそれ以上に高ければ、買取店へ売っても良いでしょうね。
この時利用した査定サイトは、ナビクル車査定です。
1分ほどの入力で買取店への査定申し込み後、画面上に買取相場が表示されるので、今回のようにディーラーの下取りと比較したい方、すぐに相場を知りたい方にはお勧めのサイトです。