マツダのコンパクトカー「デミオ・ディーゼル」は、国産コンパクトカー唯一のディーゼル車として独自の存在感を放っています。
他社のハイブリッドもいいけれどデミオのディーゼル車も気になる、という方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、皆さんに代わってデミオ・ディーゼルを1日レンタルして一般道や高速道路で試乗し、走行性能や走り、静粛性を徹底的にチェックしてみました!
デミオ・ディーゼルの一般道、街乗りでの走りは?
試乗したデミオ・ディーゼルのグレードは、一番廉価な「XD」の6速AT・2WD車でした。
装備が質素なグレードですが、走りに関わる重要な装備は省かれていないので、試乗レポートの対象として問題はないでしょう。
搭載される1.5L直4ディーゼルターボエンジンのスペックは最高出力105ps、最大トルク25.5kg・mで、最高出力こそコンパクトカーの平均レベルに留まるものの、最大トルクは2.5LクラスのガソリンNA車に匹敵します。
そのデミオディーゼルターボのパフォーマンスがどの程度のものなのか、乗る前から興味津々でした。
車内に乗り込むと、シンプルで機能的なインパネにまずは好印象を持ちました。
そして、シートポジションとステアリングのポジションを調整。
最廉価グレードとはいえシートリフターやチルト&テレスコが付くので、どんな人でもベストポジションが得られるはずです。
また、後席スペースを犠牲にしてまでドライビングポジションの最適化にこだわっているだけあり、ペダルのレイアウトも自然でした。
コンパトカーの場合、どうしてもホイールハウスが干渉してペダルが左にオフセットしているケースが多いのですが、ホイールハウスの張り出しがないデミオはオフセットがほとんどありません。
コンパクトカーには珍しいオルガン式アクセルペダルの踏み心地も、いい感じです。
デミオ・ディーゼルの街乗りインプレッションスタート!
エンジンを始動しようと思ったら、プッシュスタートスイッチが見つかりません・・・。
一般的なクルマのように右側にあると思っていたら、左側のワイパーレバーの陰にありました。
もっといい場所はなかったのかと思いつつ、スイッチをプッシュ。
最近のディーゼル車は音が静かになったとよく言われますが、デミオディーゼルの場合は「ガラガラ・・・」という特有の音が盛大に聞こえてきます。
振動も結構大きく、いささか興ざめでした。
「まあ、走りさえ良ければいいか・・・」と気を取り直し、改めてメーターパネルに目を向けると、タコメーターがバー表示のショボい仕様であることに気付きました。
ご覧のようにサイズも小さく(左側)オマケのようなタコメーターです。
上級グレードはまともなサイズのアナログ式タコメーターが付きますが、こんなところに廉価グレードの悲哀が・・・。
愚痴はここまでにしていざ発進すると、2.5Lガソリン車並みの最大トルクを1,500~2,500回転という低い回転数から発生する割には、際立った力強さが感じられません。
いささか拍子抜けしましたが、期待値が高過ぎたのでしょうか。
とはいえ、ガソリンエンジンやハイブリッドシステムを搭載するコンパクトカーと同等以上のトルク感はあるので、街中で流れに乗って走る分には何らストレスはありません。
また、6速ATはトルコン式特有の滑り感が少なく、CVTにはないダイレクト感があって好印象。
そして信号待ちの先頭に立つ機会があったので、青信号と同時にアクセルベタ踏みでフル加速を試みました。
発進から20キロくらいまでの加速はモッサリしていますが、そこから先はグっと力強さが増し、60キロまで一気に加速します。
出足がモッサリしているのは、おそらくごく低い回転域ではターボの過給が立ち上がらないからでしょう。
ツインターボならこんなことはないはずですが、デミオ・ディーゼルはシングルターボなんですね。
しかし、別にほかのクルマと競争をするわけではないので、このエンジン特性でも特に困るわけではありません。
街乗りの場合、発進加速よりも40~60キロくらいまでの追い越し加速の方がよほど重要ですが、デミオ・ディーゼルはその点で合格点があげられます。
静粛性の点では、ロードノイズは十分抑えられていますし、エンジン音も一旦巡行に入ってしまえばガソリン車並みに静かです。
しかし、加速時はやはり「ガラガラ・・・」というディーゼル特有の音が気になってしまいます。
また、アイドリングストップからの再始動はワンテンポとはいかないまでも半テンポくらい遅れる感じで、この点もプチストレスでした。
一方、ステアリングのフィールはかなり良く、ヨーロッパ車的なしっとりした手応えに好印象を受けました。
操舵力はコンパクトカーとしては軽い方ではありませんが、非力な女性でも持て余してしまうことはないでしょう。
また、ブレーキのフィールは秀逸で、踏めば踏んだだけリニアに効いてくれます。
スポンジーだったりカックンブレーキだったりというような変な癖もないので、まるで自分のクルマであるかのようにすぐに慣れてしまいました。
デミオ・ディーゼルの一般道での走行性能や走り、静粛性を総括すると、フル加速時の出足のもっさり感をのぞけば動力性能に不満はありません。
「信号グランプリ」をやるならともかく、普通に走る分には出足も問題なしです。
そして、ステアリングフィールやブレーキのフィールも合格点をあげられます。
ただ、問題はやはりアイドリング時や加速時のガラガラ音です。
信号の少ない郊外はともかくとして、ゴーストップや加減速の多い街中ではかなり気になりました。
デミオ・ディーゼルの高速道路での走り・静粛性は?パワー感に不足はあるか?
一般道では実用上満足のいく走りをみせてくれたデミオ・ディーゼルだったので、高速道路での走りもある程度期待が持てました。
60キロほどで流れている合流車線から本線への加速はなかなか力強く、100キロまではすぐに到達。
25.5kg・mという最大トルクの数値が実感できる瞬間でした。
100キロ巡行時のステアリングの座りは良く、コンパクトカーとしては優れた直進安定性を備えています。
ステアリングフィールの良さは一般道の時から変わりはなく、安心して高速走行することができました。
周囲の安全確認をした後、急ハンドル気味に左右にレーンチェンジをしてみましたが、クルマは俊敏に進路を変え、不安定な挙動もありません。
一方、静粛性の面では合流時は例のガラガラ音が盛大に鳴り響きましたが、頼もしい加速力とのトレードオフと思えば納得できました。
そして一旦巡行に移れば、ガソリン車に乗っているのかディーゼル車に乗っているのか分からなくなるくらい静かになります。
また、ロードノイズも一般道のときと同様に十分抑えられていますし、風切り音も耳障りでない程度のレベルなので、総じて巡行時の静粛性には満足できました。
デミオ・ディーゼルの高速での追い越し加速は?
80キロで走行する大型トラックに追い付いたところで、追い越し加速性能を試してみました。
アクセルベタ踏みで全開加速を開始すると、比較的短時間で120キロまで到達。
ホットハッチではないのでバカっ速さはないのですが、普通のコンパクトカーとしては満足のいく加速性能です。
その時のエンジン音は、やはりガラガラとディーゼルまる出しの音になりますが、そう年中追い越しばかり掛けるわけではないので良しとしましょう。
デミオ・ディーゼルなら、後ろから接近するクルマにそれほどビクビクすることなく、自信を持って追い越しを掛けられます。
デミオ・ディーゼルの中~高速コーナーの走りは?
高速道路のジャンクションを80キロで走行中、スピードを落とさずに高速コーナーに進入しましたが、何事もなかったかのようにクリアしました。
若干アンダーステア気味ではあるものの、オン・ザ・レール感覚で安定して旋回できる点は高く評価できます。
デミオはステアリング操作に応じてエンジントルクを変化させる「G-ベクタリングコントロール」という機能を備えていますが、その効果は確実にあるようです。
また、比較的固めの足回りのお陰で車体のロールも少ないので、不安感も全くありません。
そして高速道路出口の中速コーナーでも、この安定感に変わりはありませんでした。
オーバースピード気味に60キロで進入しても、強い横Gを感じながらそのままのスピードを維持して旋回できます。
デミオ・ディーゼルの高速道路での走りや静粛性を総括すると、加速時のエンジン音を別にすれば、コンパクトカーとしてかなり高い水準にあるといえるでしょう。
高速道路を利用する機会が多いが、3ナンバー車は大き過ぎて・・・という方にデミオ・ディーゼルはおすすめです。
ワインディングでのデミオ・ディーゼルの走りは?
ワインディングでのデミオ・ディーゼルは、高速道路のコーナーと同様に旋回時の安定感が印象的でした。
アンダーステアのため幾分旋回の軌跡は膨らみ気味になるものの、コーナーの曲率の大小に関わらず安心して旋回することができます。
また、キックバックを抑えながら路面の情況をステアリング越しに伝えてくれる点も、安心感につながりました。
そしてステアリングレスポンスも良好で、操舵に対する遅れがありません。
一方、動力性能の点では、上り坂も苦にせずグイグイ上っていきます。
アクセルレスポンスにはターボラグがありますが、パワフルさは文句なしです。
普通のコンパクトカーでこれだけの力強さは、なかなか望めないのではないでしょうか?
ワインディングの下りでの走りはどうか?
上りや平坦なワインディングではシフトポジションはDレンジのままで十分でしたが、エンジンブレーキが必要になる下りになると、マニュアルモードが威力を発揮します。
レバーを押してシフトダウン、引いてシフトアップという操作はBMWなどと同じですが、逆のタイプよりも人間の感覚にあっていると感じました。
また、シフトレスポンスは電光石火とまではいかないものの、不満のない速さです。
エンジンブレーキの効きは緩い下り坂では十分でしたが、勾配がきついと「3速ではスピードがどんどん上がってしまい、さりとて2速ではエンジンが唸ってしまう」というケースがありました。
レブリミットが低いディーゼルエンジンの特性をカバーするため、ハイギアードになっていることが要因かもしれません。
下りコーナー進入時のブレーキの効きは十分で、ペダルをガツンと踏んでやれば思い通り減速することができました。
デミオ・ディーゼルのワインディングでの走りを総括すると、ホットハッチを別にすればコンパクトカーとしてかなりレベルが高いといえます。
ファン・トゥ・ドライブかというとちょっと微妙ですが、安定感や安心感はバツグンなので、ワインディング区間が長く続いてもストレス知らずでした。
デミオ・ディーゼルの一般道、高速道路、ワイディングでの走行性能のまとめ
デミオ・ディーゼルで一般道や高速道路、ワインディングを走って感じことをひとことで言い表すと、「優等生」です。
ハンドリングやブレーキのフィールに優れ、動力性能も発進時のモッサリ感をのぞけば十分でした。
そのため、ほとんどのシチュエーションで大きな不満は感じませんでしたし、「良く出来たクルマだな」と感心しました。
ただ、アイドリング時や加速時のガラガラ音だけは、最後まで馴染めませんでした。
燃費は一般道3、高速道路3、ワインディング4の割合で走行して、20.2km/L(満タン方)という優秀な数値を記録しました。
軽油の価格がガソリンよりも安いことも加味すれば、かなり経済的といえます。
エンジン音にさえ納得できれば、デミオ・ディーゼルは走りが良く経済性にも優れたクルマとしておススメです。
下取り車の金額で絶対に損しないためにすること【マンガ付き】
新車を安く買うには、値引きをしてもらうのが一番手っ取り早いですが、下取り車があるならさらに安く買う事が出来ます。
やり方はとても簡単なので、是非参考にしてみて下さい。
ディーラーの下取り金額に騙されるな!?
新車へ買い替えるなら、下取り車をディーラーで査定してもらうのが一般的でしょう。
しかしここで注意してもらいたいのが、「ディーラーは下取り金額を低めに見積もっている」事なんです。
本来あるはずの下取り相場より安く買えれば、新車値引きを多少多くしても、ディーラーは下取り車の利益で回収できてしまう訳ですね。
また「値引きは限界です。その代わり下取り金額に10万円上乗せしたので、これで契約してください!」と言ったセールストークも可能になり、新車の値引きを抑えつつ、契約に繋げる事が出来ます。
ディーラーはメリット大、ですがユーザーは損でしかありません・・・
ディーラーに騙されないためにする事
以前、管理人がフィットを売却した時の例で紹介します。
ディーラーの査定でフィットは52万円と言われました。
まだ年式も新しかったので、その下取り金額が妥当かどうか確かめるために、買取店にも査定してもらう事に。
買取店の査定サイトから申し込むと、概算の買取金額を教えてくれます。
その時の画像です。
出た金額は、なんとディーラーよりも20万円以上も高い買取金額でした。
概算とは言え20万円の差額・・・その後ディーラーへ出向き「買取店で75万って言われたんですけど」と伝えてみると、少々待たされましたが「今回決めてくれるなら2万上乗せして77万円で下取ります。もう限界です・・」
ホントに限界かどうか分かりませんが、52万⇒77万=25万円のアップです!
その時の契約書です。
もしディーラーの言う通りに最初の52万円で契約していたら、25万円の大損となっていました。。
この時した事は、査定サイトで表示された買取相場をディーラーへ伝えただけです。
これだけで25万円のアップに成功したので、下取り車がある方は是非参考にしていただきたいと思います。
ちなみに査定サイトで申し込んだ買取店にも見てもらいましたが、本当に限界らしく1万円プラスの78万円を提示されました。
しかし+1万円位なら、納車まで乗っていられることを優先して、今回はディーラーへ出しましたが、買取店の方がそれ以上に高ければ、買取店へ売っても良いでしょうね。
この時利用した査定サイトは、ナビクル車査定です。
1分ほどの入力で買取店への査定申し込み後、画面上に買取相場が表示されるので、今回のようにディーラーの下取りと比較したい方、すぐに相場を知りたい方にはお勧めのサイトです。